大島小学校

大島小学校

2012年5月2日水曜日

校長室から 5月号

今年度の取り組み

 「目に青葉 山ホトトギス 初鰹」爽やかな5月となりました。

1日は1年生から5年生で三方縄文博物館へ遠足に出かけました。古代の人々の生活に触れ,火起こし体験を行いました。なかなか火がつかずに苦労する子ばかりでしたが,なんとか3つのグループで火がつきました。改めて昔の人のすごさを感じる一日となりました。

 さて,新学期が始まって1ヶ月が経ちました。この間,児童会代表によるあいさつ運動が続きました。児童会で「あいさつ大賞を決めよう」と企画して,毎朝,声かけをしながら,あいさつ調べをしてくれました。おかげで元気なあいさつが響く清々しい毎日となりました。最高学年としてスタートしたばかりですが,6年生の児童会役員の頑張りも大変うれしいものでした。

 今年度,大島小学校では,「自分の考えをもち,分かりやすく伝えようとする」力を身につけることをめざし,取り組んでいます。

今年の2月,日本数学会が全国約6,000人の大学生を対象にテスト形式の数学基本調査を行った結果,「奇数と偶数を足すと奇数になる理由を説明できた大学生は,全体の3分の1程度であった」と発表しました。また,大学生の4人に1人は平均の意味が分からず,計算はできても「平均の正しい意味が分からない」という層もかなり多かったそうです。論理を読み取ったり,記述したりする力が不足しているとも分析されました。実は,数年以上も前から,理由をきちんと記述できない日本の子どもたちの現状が報告されてきました。このような実態から,学校教育においては,全教科で言語活動の充実が求められ,理由をきちんと記述したり,話したり,読み取ったりすることに力が入れられるようになりました。

本校でも,「聞くこと」「話すこと」に力を入れて取り組んできましたが,自分で考え,自分の言葉で分かりやすく伝えることはなかなか難しいようです。授業の中で,また,学校生活の様々な場面で,思いつきでなく,根拠をもって,きちんと自分の考えを説明したり,伝えたりできるようにしていきたいと考えています。

そこで,御家庭でも,理由を大切にした躾やお話合いをぜひとも取り入れていただきたいと思います。例えば,叱るときには,必ず理由を聞いてあげてください。大人から見るととても他愛のないことも言うでしょう。けれども,子供には子供なりの考えがあり,そのように行動したことは事実なのですから,そのまま受け止めてあげてほしいのです。「そう考えて~したんだね」と。その後で,丁寧に「でもね」と親の考えを,その理由と根拠と共に話してあげてください。

このように,生活の中でも理由を大切にするということは,学力だけでなく,子どもの生き方も左右することになります。悩みつまずいたときにも,冷静に理由を考える習慣が,子供たちの大きな力となると思われます。

理由をきちんと話すことは,相手に自分の考えを分かってもらうためにも,とても大切なことです。お互いの考えを尊重し,相手を大切にするためにも,このような力をしっかりと身につけてほしいと願っています。